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【2024.4月号】「特疾」からの3疾患除外の意味すること

 今回の改定で特定疾患療養管理料(特疾)の対象疾患から高血圧、糖尿病、脂質異常症の3疾患が除外された。その「根拠」として特定疾患療養管理料と生活習慣病管理料の対象疾患が「重複」しているとされ、この3疾患は新設された生活習慣病管理料(Ⅱ)で算定するように促す方針とされた。
 一見、もっともらしい「根拠」に聞こえるが実態はどうであろうか。
 昨年の中医協に出された「22年の入院・外来医療等における実態調査」によると特定疾患療養管理料の算定は746万回で、これは再診料の950万回、外来管理加算の767万回についで算定が多い項目である。しかも同管理料の全算定件数に占める主症病名の割合では高血圧がトップで57.7%、脂質異常症が23.9%、糖尿病が16.2%と今回の3疾患が多くを占めている。つまり診療報酬の管理料では大きなウエイトを占めるので削減の対象になったと考えるのが妥当であろう。実際に中医協でも槍玉にあげられた。保団連の試算では内科系の診療所で月に100万円単位の減収もありえるとしている。
 さて代替えの新設された生活習慣病管理料(Ⅱ)では患者の署名を得た「療養計画書」策定をはじめとした生活習慣病全般の治療管理を求めるとした高い算定要件が求められおり実質上「赤字」を招く管理料である。しかも外来管理加算との併算定不可とされ、特定疾患処方管理加算についても28日以上の処方に算定が限定される。

医療機関に多大な負担を押し付ける「医療DX」推進加算

 初診料に「医療DX推進体制整備加算」が新設された。これはオンライン資格確認体制とオンライン請求が前提で、今後の電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスの導入等の「整備」を評価するとされている。対応困難な医療機関を置き去りにし、対応出来る医療機関でも多大な負担を押し付ける「医療DX」推進加算は撤回し、医療の質の維持・向上に向けるべきである。