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【2026.7月号】予約キャンセル料の厚労省通知にもの申す

 6月から、診療の予約を患者都合で直前に取り止めた場合、医療機関がキャンセル料を請求出来るようになりましたが全ての患者にキャンセル料が発生するかのような誤解が広がりました。
 この問題の発端は厚労省が本年3月27日に発出した「『療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて』の一部改正について」の事務連絡でした。この中に「予約に基づく診察の患者都合によるキャンセル料」の新設が記載されていました。確かにこの3月27日の通知からは「キャンセル料がとれる」と読み取れます。
 しかし、この通知には「前提条件」が全く触れられていませんでした。
 この「前提条件」とは、患者が自身の希望や選択で受ける特別なサービスで全額自己負担となる選定療養として「予約に基づく診察による特別な料金」を事前に地方厚生局に届けて、予約に基づく診察について院内掲示やウェブサイトで確認できる状態で患者説明と同意を得て予約時間から概ね30分以内に診察を開始する(30分以上遅れた場合は徴収不可)また予約をしない患者のための時間枠を全診療時間の2割程度確保していること等の算定要件を満たしていることです。
 ですから歯科で広く一般的に行われている無料の予約診療は該当しません。該当するのは全国で928件(2024年8月時点)の選定療養の「予約診療」でその殆どは精神科や心療内科の場合です。これは他科と比べて一人あたりの診察時間が長くキャンセルによる空き時間の発生は他の患者の受診機会を奪ったり、経営的な損失が大きいためです。
 5月29日厚労大臣は「3月の通知は一般的な診療におけるキャンセル料の徴収も認められると受け止められかねないものだった」と選定療養として予約した場合のみが対象だという明記が無かったことについて陳謝しました。
 今回マスコミも「予約をキャンセルしたらキャンセル料が発生する」と報道し、市民の間でも戸惑いが広がりました。また一般的な無料の予約制を殆ど導入している歯科医院側でもこれを歓迎しキャンセル料を導入しようとする動きが一部で広がる等、混乱が広がりました。
 厚労省の通知の発出には誤解を招かない配慮が求められます。